Message from 小林武史 / 櫻井和寿
改めて、という話かもしれないけど。
自分たちの利益や営みのためにやるのではなく、公のこととつながること、つまり自分以外の誰かのためを思って始まったap bankであり ap bank fes。 作った当初の2003年は、環境破壊や気候変動などについての勉強会をやりながら、融資活動やそのための審査だけをやっていたんですね。(2年後にその資金調達のために始まったのがap bank fesであり、Bank Bandなんです)
気がつけばap bankが出来て今年で20年。
20年前に予測した未来とはいろんな意味で違っていて、当時話し合っていた環境問題は、むしろ深刻さを増していて、その課題解決と言う意味では、相変わらずと思うところも多い。 2011年には東日本大震災があり(そこからReborn-Art Festivalが生まれたわけですが) 、 2020年からの新型コロナウイルスがあり。
そしてこの夏、やっと有観客でap bank fesが行えることになり、初めてサブタイトルがつきました。
それが「社会と暮らしと音楽と」。
社会とは「公」であり、暮らしとは「私」だとも言い換えることができると思いますが、利他も利己がつながっているように、社会(自然や地球環境も含まれる)と僕たちの暮らし(それぞれの暮らし、というニュアンスが強いかもしれない)は、つながっている。
本当に困難なことが多い社会や暮らしだと思います。 だけど、それらをつなぐ場としてのap bankやap bank fesでありたい。
今年の3月末には、ap bankのすべてのきっかけを作ってくださった、坂本龍一さんが他界されました。 ありがとうございました、と思う気持ちがあり、当時、坂本さんと話していた未来へのビジョンにどれだけ近づけたのか、至らなさと共に情けなく思うところもあります。
こんなことでいいのか、こんなはずじゃなかったのに、と思うことが多いけど、改めて気づきやきっかけが生まれると良いと思います。 収益のできるだけ良い使い方のために、新たに勉強会も始めています。「公」や「私」、「利己」と「利他」をつないでいく、場のあり方をこれからも探していきたいと思ってます。
そして、音楽が、音楽を楽しむことが、そこに生まれる分断を「間」をつないでいくんだと思っています。そこにみんなに、それぞれに生まれる「特別な何かで」と共に。 ぜひ、今年の夏、一緒に「特別な何か」を作っていきましょう。
(これも気候変動のひとつかなと思うけれども、どれだけ猛暑になるのか予想が付かないところもあり、できるだけ遅めのスタートにしてみました。それでも体調に気をつけながら良いフェスにしたいです)
小林武史
コロナが落ち着き、ap bank fesのホームグラウンドとも言える「つま恋」で、皆さんと歓喜の声を上げ歌えること、それを想像するだけで心が熱くなり、叫びたくなるような気持ちです。
ですが、改めてお伝えさせてください。 ap bank fesの興行における収益は、「私たちをとりまく環境」に対し、問題意識を持ち、前向きに、誠実に、取り組むプロジェクトの資金にあてられます。
音楽を思い切り楽しんで それが誰かの 何かの力になる
そのハッピーの循環こそがap bank fesなのだと、いま一度皆さんに、 そして自分に指差し確認するような気持ちでいます。
社会と暮らしと音楽と
これがap bank fes。 是非、遊びに来て下さい。 一緒にこのfesを楽しみましょう!
櫻井和寿